クラシックな装いに、ネクタイは欠かせないアイテムだ。そして、できればネクタイも国産にこだわりたい。そう思い、数年前に探していて出会ったのが、フランコスパダ(Franco Spada) というネクタイブランドである。
オンラインストアの写真の見栄えが良く、「少々値は張るが、試しに一本」と軽い気持ちで購入した。届いた実物は写真の印象どおりで、上品な光沢を放っていた。
いざ締めてみると、ディンプルがすっときれいにできる。なかなかディンプルが決まらないネクタイもある中で、特別な感触があった。「国産トップレベルの工場でハンドメイド」「機械縫いにはない締め心地」と謳うのも、決して誇張ではないと感じた。
最初の一本でその品質に惚れ込み、以来、定期的にフランコスパダのネクタイを買い足している。ネクタイによって生地感は異なるが、どれもディンプルがきれいに決まる。安定した仕立ての良さがある。
私が特に気に入っているのは、裏地にも表地と同じ生地を使った「共裏地」のモデルだ。程よくボリュームがあり、高級感がある。ディンプルが美しくできるのも、この厚みと柔らかさのバランスによるのかもしれない。

国産ネクタイを探すと、他にもさまざまなブランドがある。老舗を謳うのはよいが、どこか古めかしく、くすんだ印象のもの。無地柄の色違いばかりの展開。あるいは桜や和柄など、「日本らしさ」を前面に出してクラシックスタイルに合わないもの。どれも私には刺さらなかった。
その点、フランコスパダは、国産でありながらデザインに過度な「和」を持ち込まない。タイムレスでありながら古臭くない。クラシックスタイルと相性が良く、デザイン展開も豊富だ。
この完成度を誇るブランドが、知る人ぞ知る存在に留まっているのが不思議でならない。興味を持った方は、ぜひ一度、オンラインストアを覗いてみてほしい。


