前回の続き。
日中は、持参した折り畳み自転車で、中心街から海沿いへ。岩礁と奇岩が連なる風景は、熊野の串本を思い出させた。


八戸の景勝地・種差天然芝生地
目的地の種差天然芝生地では、緑の芝、灰色の岩、青い海が交差し、自然の穏やかさと険しさを同時に感じた。かつては、放牧地だったという。



この一帯には、夏になるとヤマセという冷風が吹く。高山植物が自生するほどの冷涼な気候だったと聞くが、いまは温暖化の影響で、その風も弱まりつつあるらしい。風景もまた、少しずつ変わっていくのだろうか。
足を伸ばして青森市へ
八戸に戻ったあと、せっかく青森県まで来たのだからと、電車で一時間。青森駅まで足を延ばした。滞在は短かったが、八戸とは趣の異なる、落ち着いた街だった。

駅近くの市場で、海鮮丼を注文。海の町で暮らすようになってから、魚にはうるさくなった自覚があるが、どれも満足のいく味だった。とくにウニの濃厚さは印象に残った。


八戸で食べそびれていた「いちご煮」も、ここで味わうことができた。ウニとアワビの吸い物。贅沢の極みだ。

食後は、雰囲気のいいコーヒー店に立ち寄った。青森りんごジュースとサトウキビを合わせたカフェラテは、甘さがすっと引いて、記憶に残る一杯だった。


最後は、クラフトビールのブルワリーへ。セルフ式で、好みの量だけ自分で注ぐ。度数の高いビールを少しだけ試せるのがありがたかった。この醸造所のビールは、どれも香りが立ち、好みに合っていた。



青森市内の滞在は、ほんの数時間だった。だが、それでも十分に魅力を感じた。次に訪れるときは、青森駅周辺に腰を据えてみるつもりだ。
