旅先の風景を、もっと見たままのかたちで残したい。そう思ったのが、カメラ購入を考え始めたきっかけだった。
しかし、カメラは種類が多く、初心者の私にはどれが自分に合うのか見当がつかなかった。一眼カメラを買ったものの、持ち運びが億劫になって、ほとんど使わずに手放してしまったという話もよく聞く。私の知人も、まさにそうだった。
ブログやYouTubeで情報収集はできるが、スペックに関する話が多く、自分のスタイルに合うかどうかを見分けるのは難しかった。
検索するうちに、カメラのレンタルサービスがあると知り、試してみることにした。利用したのは「グーパス」というサービスである。
グーパスを使ってみて
使ってみると、想像していた以上に手軽で、さまざまなカメラをレンタルして試すことができた。気に入った点は以下のとおり。
- 月額定額制のプランでは、レンタルと返却を繰り返すことで、1ヶ月の間に複数のカメラを試せる
- ランクによってレンタルできる機材のグレードが変わる仕組み。ランクが上がると高級なカメラも借りられるが、そのぶん月額料金も上がる(送料は別)
- 送られてきたダンボールをそのまま返却時に再利用でき、宛名の記載も不要。ウェブ上で返却手続きするだけでよい
- 梱包が丁寧で、クッション材が厚く、配送時の破損リスクも低いと感じた
最初に一眼カメラを試してみたが、スマートフォンに慣れた私には重く感じた。そこで次に、コンパクトデジタルカメラ(デジカメ)を試したところ、これなら旅先に持って行くのも苦にならないと感じた。
GR IIIとの出会い、そして購入へ
いくつかデジカメを試す中で、とくに気に入ったのが Ricoh GR III だった。
コンパクトで軽く、起動が速くて撮影までがスムーズ。「最強のスナップシューター」と呼ばれているのも納得できた。センサーは一眼カメラクラスのAPS-C。どこか場の空気まで写し取るような、味わいのある写真が撮れた。
レンタルしたGR IIIを何度か旅先に持ち出し、これなら所有する価値があると判断して、購入に至った。
動画用カメラを探して、Z fcへ
GR III購入後も、しばらくは動画をスマートフォンで撮り続けていた。スマホの映像はくっきりしていて、一見見栄えは良い。だが、次第にどこか作り物のように感じられるようになった。GRの写真に慣れたせいかもしれない。
GRは静止画に特化したカメラで、動画には向かない。そこで、動画撮影用のカメラも欲しくなった。1年ぶりにカメラ探しを再開し、しばらく離れていたグーパスを再び利用することにした。
GRのAPS-Cセンサーの描写力に満足していたこともあり、動画用カメラも同じセンサーサイズが望ましいと考えた。そうして、一度は敬遠していた一眼カメラを、改めてレンタルすることにした。
いくつかの機種を試した末に、自分に合っていると感じたのが Nikon Z fc だった。Vlog向けに作られたNikon Z30とも迷ったが、旅先での撮影は屋外が中心になるため、ファインダーのあるZ fcを選んだ。
一眼カメラの二大メーカーといえば、SONYとCanonである。動画用途で使用している人も多い。もちろん、これらのメーカーの機種もレンタルして試してみた。だが、私にはNikonの色味がいちばん自然に感じられた。後で調べると、一般的にもNikonは「見たままに近い」色味で知られているという。
実際にZ fcを旅に持ち出してみたところ、サイズや重さも自分に合っていて、苦にならないと判断。購入を決めた。

レンズもレンタルで探る
Z fc購入後は、レンズもいくつかレンタルして試してみた。旅先で、どの焦点距離をよく使うか、どんな画角が好みに合うか。これも、実際に現場で撮ってみないと判断がつかない。
レンズ購入でもグーパスは大いに役立った。ちなみにジンバルもレンタルして試したが、旅先で気軽に撮影したい私には、荷が重すぎるので購入を見送った。
試す自由をくれるということ
今のカメラはデジタルでありながら、使い心地や操作感など、アナログな要素も多い。スペックだけでは語りきれない機材だと思う。
たしかに、レンタルせずに購入すれば初期コストは抑えられる。だが、自分に合わないカメラを買ってしまえば、売却と再購入という余計なコストが発生する。1ヶ月のあいだに複数のカメラを試せるレンタルのほうが、結果的にコストも低くなるだろう。
レンタルにかかる費用は、「試す自由」を得るための保険のようなものだと、私は感じている。
