霧島神宮
観光スポットの霧島神宮にも足を運んだ。電車で霧島神宮駅へ向かい、車窓からは桜島の姿が見えた。駅から神宮までは距離があったが、道中の風景も楽しもうと歩いてみることにした。
10月中旬にもかかわらず、稲穂が実っていた。熊野では8月には刈り入れが終わる。同じく温暖な地域でありながら、鹿児島では10月まで稲穂が残っていることが意外だった。
調べてみると、鹿児島では7月中旬から8月に収穫する早期水稲と、10月に収穫する普通期水稲が行われている。このような栽培の組み合わせが見られる地域は限られており、鹿児島の気候がそれを可能にしているのだろう。
途中には焼酎の蒸留所もあった。「明るい農村」はよく知られた銘柄だ。直売所もあり、見学もできるようだった。焼酎好きなら立ち寄る価値がある。
一時間半ほどの道のりだが、登りが続き、後半は少し後悔し始めていた。ようやく辿り着いた霧島神宮は、静かな道中とは一転し、多くの参拝客で賑わっていた。並んで参拝する気力は残っておらず、撮影だけ行った。
連休中ということもあって混雑していたが、森に囲まれた境内は、普段は静かな空気をまとっているのだろう。次はシーズンオフに訪れたい。さすがに、帰りはタクシーで駅まで戻った。

明治の名残
鹿児島市内には、明治ゆかりの場所が点在している。照国神社は島津家を祀る神社で、戊辰戦争の顕彰碑もあった。
南州墓地には、西南戦争で戦った人々の墓が並んでいる。階段を登った中央に西郷隆盛の墓があり、すぐ近くには西郷を介錯したとされる人物の墓もあった。墓地は高台に位置し、桜島が望める。弔いの場所として、故郷の象徴を見渡せるこの地が選ばれたのかもしれない。

今回の旅の振り返り
今年も猛暑で、日本各地では10月上旬まで残暑が続いていた。鹿児島滞在中も日中は30度を超え、夏の気候だった。土地柄、南国のような空気を感じた。
鹿児島はナポリの姉妹都市でもある。海に面し、火山を望む風景が似ているという理由からだ。イタリア料理店が多いのも、海の幸が豊富で温暖な気候が影響しているのだろう。
滞在中の桜島は静かだったが、噴煙が上がれば火山灰が中心街にも降るという。地元の人の話では、雨と一緒に降る火山灰は衣類に付着すると落ちにくく、火山灰の日はマスクが必須だという。桜島は景観としてそこにあるだけではなく、活火山として暮らしと地続きなのだと感じさせられた。
ナポリはスーツ文化が根付いた土地として知られる。今回は姉妹都市という縁もあり、テーラーメイドのジャケットで歩いたが、火山灰が降る日は避けた方が良さそうだ。ちなみに、ナポリに見える火山はしばしば噴火するわけではなく、街に定期的に火山灰を落とすこともない。その点は鹿児島とは異なっている。

鹿児島の人々にとって桜島は、景観であると同時に生活の一部であり、その火山と共にある暮らしを垣間見た旅だった。






















