2025年10月、鹿児島を三泊四日で歩いた。鹿児島を訪れるのは、今回が初めてだった。飛行機は使わず、新幹線で名古屋から鹿児島中央へ向かった。博多で乗り換え、所要時間はおよそ五時間。長距離移動に慣れた私には、思っていたより近いと感じた。三連休中だったが、街はさほど混み合っておらず、静かに一人旅を楽しめた。

桜島

鹿児島といえば桜島だ。市街地からもその姿が見える。到着初日に入ったイタリア料理店では、テラス越しに桜島を眺めながら昼食をとった。

港近くのウォーターフロントパークからは、海を挟んで桜島が正面に見えた。噴煙はなく、静かな山容だった。後日、ひと月ほど経って噴火のニュースを見た。

城山公園展望台からは、鹿児島の街並みと桜島を一望できた。登るには少し体力を使うが、その価値はある。私は朝に向かったため逆光で桜島が黒く沈んだが、それもまた風景として悪くない。ただし、写真を撮るなら夕方の方が良いだろう。

路面電車

鹿児島市内を走る路面電車は、市街地の移動に便利だった。車両の種類は多く、古い車両もあれば、近代的なデザインのものも走っていた。街の時間の積層を感じさせる趣があった。

天文館

鹿児島市内の繁華街は天文館と呼ばれる。鹿児島中央駅から少し距離があるが、飲食店が多いと聞いていたので、宿もこの周辺で取った。実際、夜の店巡りには都合が良かった。三連休にもかかわらず、宿泊費は控えめだった。連休になるとホテル代が跳ね上がる観光地は多いが、鹿児島は落ち着いている印象だった。旅先として穴場かもしれない。

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飲食店

郷土料理を出す店で、海の幸や地産豚、さつま揚げなどをいただいた。首折サバの刺身も提供しており、熊野で食べるサバと遜色のない鮮度だった。

洋食とワインを出す店では、鹿児島のブランド豚「オーエックス豚」を味わった。火入れは正確で、素材本来の旨味が生きていた。自然派ワインも揃えており、もし家の近くにあれば通う店になるだろう。

鹿児島のクラフトビールの直営店にも足を運んだ。タップ数が多く、何度でも訪れたくなる場所だった。

焼酎のイメージが強い鹿児島だが、バーも多く、洋酒文化も根付いている。地元の人の話では、焼酎は「日常酒」であり、店に来れば別の酒を飲みたいという気分が働くのだという。西洋文明との接触が早かった土地柄も関係しているのだろう。

せっかくの鹿児島なので、とんこつラーメンも試してみた。久しく食べていなかったが、想像よりあっさりしていた。背脂は浮いていたが、重さはない。こってりしたものを避けがちになった身でも、難なく食べ終えることができた。調べてみると、鹿児島ラーメンは九州の中でも比較的あっさりした傾向があるらしい。

カフェも多く、コーヒー文化が根付いている印象だった。宿の近くに丁寧に淹れる店があり、滞在中は連日通った。街を散歩している途中に見つけたカフェも雰囲気がよく、コーヒーも申し分なかった。